Research
薄膜プロセスによる高性能磁性材料の研究開発(Nd-Fe-B永久磁石)
世界最強のNd-Fe-B永久磁石が高い耐熱性を持つためには、保磁力の増大が必須です。貴重な資源である重希土類元素(HRE)を使用せずに保磁力を増大させることが求められてきました。
私たちの研究グループは、この課題に対して、ナノサイズの磁石粒子(Nd2Fe14B相)を形成し、これにNd粒界相を模した被覆層を堆積させ、最適ポストアニールすることで粒子サイズの微細とNd-rich粒界相との界面制御によって高い保磁力が得られることを見出しています。この研究で導入された超高真空薄膜プロセス装置は、高品位結晶相を形成するために極めて重要な役賄を担いました。Nano Res. Lett. (2016).
レーザーアニーリングによるナノコンポジット積層膜の最適アニール温度と微細組織の高速スクリーニング
Nd-Fe-B/FeCo系積層膜を低温成膜した後に結晶化アニールすることで、膜面内方向に磁化容易軸を持つ、面内異方化ナノコンポジット積層膜の形成に世界で初めて成功しました。この研究で導入された赤外レーザーアニール(iLA)装置が最適アニール温度を高速スクリーニングするために有効でした。AIP Advances (2022).
マイクロマグネティクスシミュレーションによる理想ナノコンポジット粒子の探索
LLGシミュレータによってSm(FeCo)12ナノ磁石粒子の磁化過程を導出し、高性能なナノコンポジット磁石粒子の形態を見出すことに成功しています。AIP Advances (2023).
共同研究等
私たちの研究室では、コアコンピテンスを活かすために学内外の研究者の方々との共同研究、機器共同利用研究を積極的に進めています。
これまでの実績:山形大学大学院理工学研究科、東北大学工学研究科、九州大学総合理工学府、神戸大学分子フォト研究センター、長崎大学工学部、東京工業大学科学技術創成研究院など